
役員をやって初めて知った「全国組織まである」PTA
PTAという言葉は、子どもが学校に通い始めると自然と耳に入ってきます。入学式や保護者会の案内に書かれているし、行事の準備や集まりの中でも当たり前のように登場します。ですが、そのPTAがどんな組織で、どのようなつながりの中で動いているのかを、最初から理解している保護者は多くありません。
私自身もそうでした。PTA会長を引き受けるまでは「学校の中だけで活動している組織」と思っていたのです。しかし実際には、各学校に存在する「単位PTA」を最下層に、市や町単位で束ねる「市町村PTA」、さらに都道府県単位で構成される「県PTA」、そして全国規模の「日本PTA全国協議会」という、まるで企業の本社・支社のようなピラミッド型組織が存在します。
この構造を知ると、「そんなに大きなネットワークがあるなら頼もしい」と思う一方で、「本当にここまでの階層が必要なのか?」という疑問もわいてきます。情報や会費の流れ、決定事項が下りてくる仕組みなど、実際に役員を務めることで初めて見えてくる課題も少なくありません。
本記事では、PTAのピラミッド構造を下から順に解説し、それぞれの役割と存在意義を整理します。そして、現場で感じた利点と課題の両面から、この組織構造の是非について考えていきます。