
個人情報の扱いのずさんさ
次に深刻なのは、個人情報の管理体制です。PTA活動の一環として登校班や地区委員が組織されますが、その際に「名簿」が作成されます。ある男性は、まだ入学前の段階で地区委員が自宅を訪れ、登校班の説明を行った際、「学年、性別、氏名、住所、電話番号、マンションの部屋番号」まで記載された名簿を提示されたことに驚いたと語ります。
問題は、これらの情報を保護者本人がPTAに提供した覚えがないことです。つまり学校に提出した情報が、本人の同意もないままPTAに流れているわけです。学校側に確認しても「例年のこと」と言われるだけで、個人情報保護の意識は希薄なまま。
現在は個人情報保護法により、第三者への無断提供は厳しく制限されています。にもかかわらず、学校とPTAの間では「昔からの慣例」が優先され、保護者や子どもの情報が容易に共有されてしまう。これは法的にもグレーゾーンであり、保護者が不信感を抱くのも当然です。情報管理を軽視する姿勢は、信頼性を大きく損なっています。