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PTA廃止の実例とその後

PTA廃止の実例とその後

PTAを休止する場合の注意点

PTAを廃止まではせず、ひとまず「休止」という形を取る学校も少なくありません。活動を一時的に止めるだけであれば、総会で承認を得れば比較的簡単に決定できるため、廃止よりも選びやすい手段に見えます。しかし、休止には意外な落とし穴があります。最大の問題は、PTAが保有する財産や口座の管理を継続しなければならない点です。会費の残金、備品、コピー機などのリース契約などは、誰かが責任を持って引き継ぎ管理し続ける必要があります。

つまり「活動は休止しているが、お金や契約だけは動かさなければならない」という中途半端な状態が長く続き、役員不在の中で新たな管理者を選ぶ手間や、会計処理の負担が残ってしまうのです。そのため、休止は一見手軽に見えても、結局は保護者間でトラブルや責任の押し付け合いを生みやすく、実務的には解散よりも手間がかかる場合があります。PTAを続ける意思がない場合、思い切って解散に踏み切った方がスムーズでシンプルな解決につながるケースも少なくありません。

PTA廃止後の学校はどうなったか?

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行事や活動は先生や希望者による自主的な運営に移行

PTA廃止後、学校行事や活動は主に先生と希望する保護者による自主的な体制に移行しています。校長や教員が必要に応じて協力を呼びかけ、参加を希望した人だけが関わる仕組みです。そのため「必ず役員をやらなければならない」というプレッシャーはなくなり、保護者にとって負担が大幅に軽減されました。一方で、希望者が集まりにくい活動については、そもそも実施しない、あるいは学校側が縮小するという柔軟な対応が取られるようになっています。結果として、必要最小限の活動を効率的に行うスタイルに変化しつつあります。

制服リユースや学校行事は継続できる例も多い

PTA廃止後も、子どもや家庭にとって必要性の高い活動は途切れることなく継続されています。代表的なのが制服や体操服のリユース活動です。保護者有志や学校が主体となり、寄付と受け取りの仕組みを維持しているため、経済的にも環境的にも役立っています。また、運動会や文化祭などの学校行事も、教員主導で行われるほか、当日の手伝いを希望者に募る形で実現可能です。必ずしもPTAという組織がなくても、必要な活動は自然に残り、保護者や学校の創意工夫で柔軟に対応できることが実例から確認されています。

保護者生活に大きな不便はなかったという実態

PTAを廃止した学校の保護者に話を聞くと、多くが「特に困ることはなかった」と答えています。従来PTAが担っていた役割の多くは、必ずしも保護者全員が関与しなくても成り立つものであり、廃止後も学校生活に大きな影響は出ていません。むしろ、役員選出のストレスや活動への義務感から解放され、心理的な負担が軽くなったという声が目立ちます。保護者同士の交流が減るのではと懸念する意見もありましたが、実際には地域行事や学校主催のイベントで自然な交流の場は確保されており、必要なコミュニケーションは維持されています。

地域社会との関係での課題(「保護者が出てこない学校」と見られるリスク)

一方で、PTA廃止後の課題として挙げられるのが地域社会との関係です。近隣の学校や自治会との共同活動の場で「その学校だけ保護者が出てこない」と見られるケースがあり、地域の理解が不十分な場合、学校や保護者が孤立してしまうリスクもあります。特に防犯・防災や地域清掃など、地域と学校が一体で進めてきた活動では、従来PTAが窓口となっていた役割をどう補うかが課題です。そのため、学校側が地域と直接つながる仕組みを整えることや、保護者有志が限定的に参加する枠を残すなど、地域との接点を意識的に維持する工夫が求められています。

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この記事を書いた人

2人の子供が小中学生の時6年間PTA役員をやりました。うち2年はPTA会長でした。シングルファーザー&自営業で学校に顔を出すことも多かったので目を付けられてしまいました。そんな僕の経験からPTAの様々な問題について情報発信しています。