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PTAを退会すると「ずるい」と言われるのはなぜ? 本当の問題と正しい向き合い方

PTAを退会すると「ずるい」と言われるのはなぜ? 本当の問題と正しい向き合い方

実際に起きているトラブル・声

退会を申し出ると「子どもに影響が出る」と脅されるケース

PTAを退会しようとした保護者の中には、「やめるとお子さんが行事に参加できなくなるかもしれませんよ」と暗に脅されるケースがあります。学校行事や運動会、卒業式の記念品などは本来、子ども全員を対象とするべきものです。しかしPTAが一部の費用を負担していることを理由に「加入しないと恩恵が受けられない」と言われてしまうのです。子どもの利益を盾にしたこうした言動は、退会を検討する保護者にとって大きな心理的圧力となり、不当な強制につながっています。

退会した家庭が「記念品がもらえない」「登校班に入れない」など差別を受ける事例

実際に、PTAを退会した家庭の子どもだけが卒業記念品を受け取れなかったり、通学班への参加を認められなかったりする事例が報告されています。これはPTAが「学校生活の基本インフラ」のように扱われていることが原因です。しかし、記念品や登校の安全確保は本来すべての児童に保障されるべきものであり、会員・非会員で差をつけるのは不当です。このような扱いは保護者本人だけでなく子どもにも影響を及ぼし、退会者を孤立させる圧力となっています。

掲示板や相談サイトに寄せられる「精神的に追い詰められた」声

インターネット上の掲示板や相談サイトには、「退会を申し出たら役員に責められた」「無視されるようになった」といった切実な声が数多く寄せられています。特に小規模な学校や地域では保護者同士の距離が近く、退会した人が裏切り者のように扱われることも珍しくありません。その結果、「子どもにまで影響が及ぶのでは」と不安になり、精神的に追い詰められるケースもあります。本来は保護者を支えるはずの組織が、逆に負担や孤立の原因になっているのです。

「ずるい」という見方への反論と変化の兆し

校舎

退会は「権利の行使」であってズルではない

PTAから退会することは、法的に保障された「結社の自由」に基づく正当な権利の行使です。にもかかわらず「ずるい」と非難されるのは、権利の行使を「わがまま」と誤解する社会的風潮の表れです。実際には、家庭の事情や仕事の都合で活動に参加できない保護者も多く、その選択は自己防衛であり、決してズルではありません。むしろ、制度や仕組みの改善によって「退会者を責めずに済む環境」を整えることこそが必要とされています。

公平性の議論「PTAに入らない=学校行事に参加できない」構造の矛盾

「PTAに入らなければ、子どもが学校行事に参加できない」といった構造は、本来の公平性に反します。学校行事や卒業記念品はすべての児童生徒が対象であり、保護者の加入の有無で差をつけるのは筋違いです。PTA会費でまかなわれている部分についても、本来は学校予算や自治体が担うべきものであり、任意団体が子どもの教育機会を制限するのは矛盾そのものです。この認識が広まりつつあり、差別的な運営の見直しを求める声が強まっています。

一部の改革事例:任意加入と学校予算化への移行

最近では「PTAは完全任意加入」と明確にし、活動は会員制のボランティア参加に限定する学校も出てきています。また、卒業記念品や学校行事の費用をPTAから切り離し、学校予算や自治体負担で対応する事例も増えています。これにより「入っていない家庭の子だけ損をする」という不公平感が解消され、保護者が自分の意思で参加を選びやすい環境が整いつつあります。こうした改革は、PTAが持続可能な形へと変わる兆しといえるでしょう。

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この記事を書いた人

2人の子供が小中学生の時6年間PTA役員をやりました。うち2年はPTA会長でした。シングルファーザー&自営業で学校に顔を出すことも多かったので目を付けられてしまいました。そんな僕の経験からPTAの様々な問題について情報発信しています。