
ケース別の具体的な方法
新入生保護者で入会届がある場合
もっとも分かりやすいのは、新入生の入学時に配られる「PTA入会届」を提出しない方法です。提出しなければ自動的に非会員となり、活動に参加する義務も生じません。先生から「忘れていませんか?」と確認されることもあるため、その際は「加入しないので提出しません」と連絡帳や一言で伝えておけばトラブルを避けられます。入学時は説明に流されがちですが、意思表示をはっきりしておくことが大切です。
自動加入型のPTAの場合
学校によっては「意思確認をせず全員加入」が慣習化している場合があります。この場合は、入学前または早い段階で校長に「PTAには加入しないので個人情報を渡さないでください」と伝えるのが確実です。任意団体への加入は強制できないため、こうした一言で不必要な名簿登録を防げます。できれば文書やメールなど記録に残る形で伝えると安心です。「拒否するのはおかしいのでは」と思う必要はなく、権利を行使しているだけです。
在校生で既に会員の場合
すでに在校生の保護者で会員扱いとなっている場合は「退会届」を提出します。専用の書式がないことも多いため、自作で「○年○月○日をもって退会します」と明記すれば十分です。宛先はPTA会長や校長とし、署名・押印を添えて提出すると確実です。口頭で伝えるだけでも退会は成立しますが、誤解や「言った言わない」を防ぐためには書面を残すのがおすすめです。連絡帳で簡潔に「退会届を提出します」と添える方法も有効です。
PTA活動「拒否したらどうなる?」の実態

「PTAを退会したら周囲から白い目で見られるのでは?」「子どもに不利益が及ぶのでは?」と不安を抱く人は少なくありません。しかし取材や体験談から分かるのは、実際には何も起きないケースが大半だということです。多くの学校では、保護者同士も先生も「誰が会員で誰が非会員か」を把握していない場合がほとんどであり、退会しても周囲に知られないまま過ごす人も多いのです。そのため「退会して拍子抜けした」という声がよく聞かれます。
一方で、すべてが円滑というわけではありません。ごく一部では「退会は認められない」と却下されたり、「PTAをやめるなら卒業記念品は渡さない」「登校班から外す」といった子どもへの影響をほのめかされるケースも存在します。こうした対応は本来誤りであり、任意団体であるPTAが会員の子どもを差別することは認められません。それでも現実には地域や学校の慣習によって対応が分かれるため、トラブルに遭遇した場合は校長や教育委員会に相談することが重要です。