
仕組みを変えることも選択肢
PTAは本来「任意加入の団体」であり、活動に参加するかどうかは保護者一人ひとりの自由です。しかし、長年の慣習によって「全員が入るのが当たり前」とされ、拒否が難しい空気がつくられてきました。今回紹介したように、最もシンプルな方法は「入らない」「退会する」と意思を示すことです。実際には拒否しても大きな問題が起きないケースが多く、むしろ拍子抜けする人が多いのも現状です。
一方で、一部では子どもへの不当な扱いや「退会不可」といった誤った対応が残っていることも事実です。こうした場合には、校長や教育委員会へ相談する、あるいは割り切って対応するなど、状況に応じた判断が必要になります。大切なのは、感情的にならず、冷静かつ簡潔に自分の意思を伝えることです。
そして本来であれば、保護者が「拒否する」必要すらない仕組みに変わっていくべきでしょう。全国には、希望制の委員会や活動ごとの募集に移行するPTAも増えており、「できる人が、できる範囲で関わる」運営が広がり始めています。無理に続けるのではなく、自分や家庭に合ったかたちで関わることを選べる環境こそ、子どもたちにとっても健全です。PTAを変えていくのも、やめるのも一つの選択肢。大切なのは「参加は自由」という原点を忘れないことです。