
PTA会長の選出方法ごとの課題と現場の声
「会長選出の会議が深夜までかかった」事例
立候補や推薦で決めようとすると、なかなか候補者が出ず会議が長引くことがあります。ある学校では

誰も立候補しないので話し合いを続けた結果、夜10時を過ぎても決まらず、結局深夜近くまでかかった
という声がありました。役員同士が気まずい沈黙を繰り返す中で、最終的には「仕方なく」承諾する人が出て決着するケースも少なくありません。こうした長時間の話し合いは、役員の負担感を増大させるとともに、「なぜ毎年同じことを繰り返すのか」という不満につながっています。
「くじで当たってしまい、事情があっても断れなかった」事例
公平さを重視してくじ引きを採用する学校もありますが、そこには落とし穴があります。ある保護者は



シングルで仕事が忙しく、とても会長は務まらないと思ったのに、くじで当たりを引いてしまった。事情を話しても『公平だから』と押し切られた
と語っています。確かにくじは透明で不満を言いにくい仕組みですが、個々の事情を考慮できないため、当事者には大きな負担となります。結果的にその人が疲弊し、活動自体が停滞してしまうリスクをはらんでいるのです。
「推薦で押し切られた」経験談
推薦制は適任者を見つけやすい反面、「断れない雰囲気」が問題になりがちです。ある体験談では



会議で何人かから名前を挙げられ、みんなが拍手する中で『やります』と言わざるを得なかった
と振り返っています。本来は信頼の証であるはずの推薦が、実態としては半ば強制になってしまうのです。特に人間関係の濃い地域や小規模校では、推薦が押し付けや根回しと受け取られやすく、本人に強い心理的負担を与えることもあります。
「立候補制にしたら毎回同じ人に頼る形になった」ケース
民主的に見える立候補制にも落とし穴があります。ある学校では



立候補制にしたら、結局いつも同じ顔ぶれが立候補し、特定の家庭に負担が集中してしまった
という声がありました。熱心な人にとってはやりがいがあるかもしれませんが、「結局あの人に頼めばいい」という空気ができてしまうと、制度としての公平性が失われます。こうした偏りは「やらない人」と「やる人」との間に温度差を生み、PTA活動全体のモチベーション低下を招く危険性があります。




