
今後のPTAの役割と課題
運動会や学芸会での路駐パトロールは、長年PTA役員が担ってきた役割ですが、本来これは「保護者団体の責任」なのでしょうか。地域や学校に迷惑をかける行為を防ぐためとはいえ、役員だけに過度な負担を押し付ける現状には疑問が残ります。子どもの成長を応援するための組織が「交通監視」に追われるのは本来の目的から外れており、持続可能な仕組みとは言えません。
今後は、学校・行政・地域が一体となって解決策を模索することが求められます。例えば、自治体が交通指導員や警備員を配置したり、学校が公式に臨時駐車場を確保したりすることで、PTAの負担を大幅に軽減できます。問題を「PTA任せ」にするのではなく、地域全体で子どもの行事を支える姿勢が重要です。
また、ICTを活用した新しい手法も注目されています。行事当日にLINEや学校アプリでリアルタイムに駐車状況を共有したり、Googleマップなどを活用して「駐車禁止エリア」を可視化したりする工夫です。違反が起きてから注意するのではなく、事前に「どこに停められないのか」を明確に示すことでトラブルを防ぐことができます。
さらに、保護者一人ひとりのモラル向上が欠かせません。「自分だけなら」「少しの時間なら」という意識を改め、地域に迷惑をかけないという共通認識を持つことが大切です。保護者が協力し合い、子どもたちの大切な行事を守るという意識が広がれば、駐車場問題は少しずつ改善されていくでしょう。
- 路駐パトロールをPTA役員だけに任せる現状は疑問
- 学校・行政・地域が連携し負担を分担する必要がある
- ICTを活用したリアルタイム周知で違反防止が可能
- 保護者全体で「迷惑をかけない」意識を共有することが重要
まとめ
学校行事における駐車場問題は、単なる「スペース不足」では片づけられない複雑な課題です。校内に十分な駐車場がないことは多くの学校に共通する現実であり、その結果として周辺の住宅地や商業施設に迷惑が及びます。こうした状況を抑えるために、長年PTA役員が「路駐パトロール」という形で矢面に立ち、トラブル対応に追われてきました。しかしこれは、役員に過剰な心理的・時間的負担を強いる仕組みであり、本来のPTAの役割から外れてしまっています。
今後は、学校・行政・地域が一体となって解決に取り組む必要があります。事前周知の徹底や臨時駐車場の確保、ICTを用いた情報発信などの工夫を組み合わせることで、保護者の負担を減らしつつ秩序を保つことが可能です。そして何より重要なのは、保護者一人ひとりが「子どもの行事を地域全体で支える」という意識を持ち、モラルを守ることです。協力の輪が広がれば、PTA役員が安心して子どもの活躍を見守れる環境が整い、行事本来の喜びを取り戻せるでしょう。

私自身、PTA会長として路駐パトロールの大変さを経験しました。大人の協力があってこそ子どもたちの笑顔が守られます。地域と保護者が力を合わせ、安心して行事を楽しめる環境を一緒につくっていきましょう。




